脂肪と言う名の服を着て 完全版 (文春文庫 あ 57-1) 価格: 660円 レビュー評価:4.0 レビュー数:1 OLの「のこ」は、その外見をよくいえば「ふくよか」な、悪く言えば「小太り」 な、引っ込み思案の女の子。上司にいつもできない者扱いされてはなじら れ、「マユミ」を筆頭とする同僚たちからはいじめとまではいかないが、奇異 の視線を注がれ小バカにされている。彼女はそれでも平気だった。なぜなら 八年も「こんな私とつきあってくれている」恋人の「斉藤君」の存在がありそし て、現実がつらくても食べれば逃避できたから。しかし、マユミから「いじり」 が手練手管を駆使したいじめに変わったとき、ささやかながらも幸せだった |
脂肪と言う名の服を着て 完全版 価格: 1,050円 レビュー評価:3.5 レビュー数:44 あらすじは他の方のレビューに書かれている通りです。 私は去年初めてこの本を読みましたが、今振り返るとこの漫画はストーリーをネガティブな備忘録に用いたようにも見える、と思います。 次第におぼろげになる記憶の中、この漫画の話を辿り直すと、強烈に脳裏にに焼き付いているのは主人公の必死さ。 そして次いでその周りに映るのはなぜか、恋人でも同僚でもなく、藤本さんなのです。あの不気味さが嫌で、できるだけ読むのを避けていたのに。 主人公の甘えを許し肯定する存在は彼だけだったと記憶しています。お金と引き替えに主人公を誘い、床を共にしその度ダイエットを断念する |
脂肪と言う名の服を着て (Giga comics) 価格: 980円 レビュー評価:4.0 レビュー数:4 「脂肪」という名詞をタイトルにしてしまうセンスも非常におもしろいが、やはり、それにまつわる物語をひとつ作り上げ、それが、リアルな心理描写に終始している「だけではない」ところがすごい。 普通に解釈すると、ダイエットを軸に女性の心理を非常に繊細に物語化したものだと考えられる。しかし、僕が感じるのは「その先」にあるものだ。ライトに、流れるように展開するものがたりと、独特のキャラクター、細い線、アップの多用、そのようなものが相まって、独特の世界観を作り出している。それが心地よく心の中心部に切り込んでくる。 そう、ある種の透明性と凶器のような硬度があるのだ。 |